介護のはじまりガイド

「親がおかしい」と思ったら読む — 介護のサインを見分ける7つのチェックポイント

「最近、母が同じことを何度も聞いてくる」「父が階段でつまずくようになった」 — そんな小さな違和感を覚えたら、それは介護のはじまりのサインかもしれません。この記事では、家族が気づける7つのチェックポイントと、サインを見つけたあとの相談先を整理します。

公開: 2026-06-20

「これって介護なの?」 — 気づきの瞬間

佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

最近、母が料理を失敗することが増えたんです。同じ食材を何度も買ってきたり、味付けが急に変だったり。これって介護が必要ということなんでしょうか?

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

それは大切なサインかもしれません。介護が必要になるとき、いきなり「介護が必要」とはっきりわかるわけではなく、こうした小さな違和感の積み重ねから始まることが多いんです。

佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

違和感の積み重ね……。一つひとつは大したことないのに、ですか?

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

そうなんです。サインは大きく 「日常生活」「身体」「認知」 の3つの軸で見るとわかりやすいです。1つや2つなら様子見でいいケースもありますが、複数の軸にまたがって変化が出ているときは、早めに専門機関に相談したほうがいい段階に来ています。

佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

具体的にはどんなことを見ればいいんでしょう?

日常生活のサイン — 家のなかで起きる変化

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

まずは 日常生活 から。台所・冷蔵庫・洗濯物・郵便物 — 毎日繰り返している行動に変化が出るのが最初です。

日常生活で見るサイン
  • 同じ食材を繰り返し買ってくる — 冷蔵庫に同じものが並ぶ、賞味期限切れが増える
  • 料理の味付けが極端になる — 急に濃すぎる、薄すぎる、または焦がすことが増える
  • 服装の季節感がずれる — 真夏に厚着、真冬に薄着、同じ服を何日も続けて着る
佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

……あ、母、最近スーパーから帰ってくると同じ豆腐が3つあったり、ありました。

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

それは典型的なサインのひとつです。記憶の問題か、判断力の問題か、原因はまだわかりませんが、「いつもと違うことが繰り返されている」のはメモしておいてください。あとで相談するときに、具体的なエピソードが役立ちます。

身体のサイン — 動きと体調の変化

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

次に 身体 のサイン。介護が必要になる入口で、もっとも「目に見えやすい」変化です。

身体で見るサイン
  • 段差や階段でつまずくことが増えた — 平らな所でも転びそうになる、転倒経験がある
  • 体重・食事量の急な変化 — 食欲がない、または食事のことを忘れる、半年で5kg以上の増減
佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

父、半年前にちょっと玄関先でつまずいて……それ以来「またやるんじゃないか」って本人も怖がってる気がします。

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

特に 転倒 は要注意です。高齢者の転倒は骨折につながりやすく、骨折から寝たきり・要介護への流れが一気に進むことがあります。1回でも転んだことがあれば、それは「介護の必要性を考える」タイミングと考えてください。

認知のサイン — 言葉と感情の変化

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

最後に 認知 のサイン。これは家族にとって一番つらく、また一番気づきにくいものです。「年のせいかな」と片付けてしまいやすい領域です。

佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

そうですよね……「歳だから」で済ませてきた気がします。

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

認知のサインは、ご本人より 近くにいる家族のほうが先に気づける ことが多いんです。だからこそ、家族の「あれ?」という感覚を大切にしてください。

認知で見るサイン
  • 同じ話・同じ質問を短時間に繰り返す — 5分前に聞いたことをまた聞く
  • 性格が変わったように感じる — 怒りっぽくなった、外出を嫌がる、お金の管理が雑になる
佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

……それ、両方思い当たります。母、最近電話で同じ用件を3回くらい言ってきて。あと前は穏やかだったのに、些細なことで怒るようになって。

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

正直にお話しすると、複数の軸でサインが出ている状態です。これは「様子見」の段階を過ぎていて、専門機関に相談したほうがいい段階です。怖がらせるつもりはありませんが、早めに動いたほうが選べる選択肢が多いので、次の一歩を案内しますね。

サインに気づいたら — 次の一歩

佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

どこに相談すればいいんですか? いきなり病院……?

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

最初の相談先は 地域包括支援センター です。市区町村ごとに設置されている、介護の総合相談窓口で、無料です。介護保険のことも、認知症のことも、家族の困りごとも、すべて受け付けてくれます。

佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

無料なんですか? 知らなかった……。

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

はい、相談自体は無料です。電話一本でも対応してくれますから、まずは状況を話すところから始めて大丈夫ですよ。

最初に相談すべき3つの窓口
  • 地域包括支援センター — 介護の総合窓口。市区町村ごとに担当エリアあり、無料
  • かかりつけ医 — 認知症の可能性があるか、医学的な見立てが必要
  • 市区町村の介護保険課 — 要介護認定の申請を考えるとき
佐藤 ゆみこ(親の介護を検討中の家族)
佐藤 ゆみこ
親の介護を検討中の家族

3つもあると、どこから連絡すればいいか迷いそうです……。

林 ちあき(まちの介護施設 編集部)
林 ちあき
まちの介護施設 編集部

迷ったらまず 地域包括支援センター に電話してください。そこで「次は病院」「次は認定申請」と、ご家族の状況に合わせて案内してくれます。家族だけで全部を抱え込まないのが、介護を長く続けるコツです。

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出典