介護のはじまりガイド
デイサービスとは? — 利用の流れ・費用・選び方のポイント
「デイサービス」という言葉はよく聞くけれど、何ができて、どのくらい費用がかかるのか、どうやって選べばいいのか——。訪問介護と並んで在宅介護の中心となる「通所介護(デイサービス)」について、利用の流れから費用の目安まで、まとめて整理しました。
公開: 2026-06-20
デイサービスとは — 日帰りで施設に通う介護サービス
ケアマネジャーから「デイサービスを週2〜3回使いましょう」と言われたんですが、デイサービスって具体的に何をするところですか?
デイサービスは、正式名称を「通所介護」といいます。日帰りで施設に通って、入浴・食事・機能訓練・レクリエーションといったサービスを受ける介護保険のサービスです。朝に施設の送迎車で迎えに来てもらい、夕方に自宅へ送り届けてもらうのが一般的な使い方です。
施設に「住む」のではなく、日帰りで通うだけなんですね。誰でも使えるんですか?
介護保険の通所介護は、要介護1〜5の認定を受けた方が対象です。要支援1・2の方は「介護予防通所介護」という枠組みが別にあり、市区町村の「総合事業」として実施されています。
- 正式名称: 通所介護(「デイサービス」は通称)
- 対象者: 要介護1〜5の認定を受けた方
- 主なサービス内容: 送迎・食事・入浴介助・機能訓練・健康管理・レクリエーション
- 利用時間の目安: 3〜9時間未満(施設や利用者の状況に応じて選択)
- 自己負担: 利用料金の1〜3割(要介護度・所得による)+食費・おむつ代等の実費
なぜデイサービスを使うといいんでしょう? 家に居るだけではだめなんですか?
デイサービスには、ご本人にとっての大きなメリットが2つあります。1つ目は社会参加と孤立防止です。他の利用者やスタッフと会話する機会が生まれ、気持ちの張り合いが生まれます。2つ目は心身機能の維持・向上で、入浴介助・機能訓練・食事支援が毎日の家庭では難しい水準で受けられます。ご家族にとっても、日中のあいだ介護から一時的に離れて休める「介護負担軽減」の効果があります。
デイサービスの1日の流れ
実際に通い始めたら、1日はどんな流れになるんでしょう?
施設によって多少異なりますが、一般的な1日の流れをご紹介します。朝の送迎から始まり、施設でさまざまなプログラムを受けて、夕方に送り届けてもらうスタイルです。
| 時間帯 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 8:00〜9:00ごろ | 自宅からの送迎(迎え) | スタッフが自宅まで車で迎えに来る。玄関から乗り降りをサポート |
| 9:00〜9:30 | 到着・健康チェック | 体温・血圧・脈拍を測定。その日の体調を確認する |
| 9:30〜11:00 | 入浴介助 | 個浴・シャワー・特殊浴槽など施設によって設備が異なる。週2〜3回が目安 |
| 11:00〜11:30 | 機能訓練・体操 | 筋力維持・バランス訓練・口腔体操など。機能訓練指導員が担当する施設も |
| 11:30〜12:30 | 食事(昼食) | 食形態(きざみ食・とろみ食等)に対応した食事を提供。食事代は実費 |
| 12:30〜14:30 | レクリエーション・趣味活動 | ゲーム・手芸・音楽・外出など。認知症の方向けプログラムを設ける施設も |
| 14:30〜15:00 | おやつ・休息 | 水分補給・おやつの時間 |
| 15:00〜16:30 | 個別活動・自由時間 | 個別リハビリや読書、希望に応じた個別活動 |
| 16:30〜17:30 | 自宅への送迎(帰り) | スタッフが自宅まで送り届ける |
※ 上記はあくまで一例です。施設によって順番や内容は異なります。利用時間が短い「半日型(3〜4時間)」の施設では、入浴のみ・リハビリのみなど特定のプログラムに特化していることがあります。
入浴もしてもらえるんですね。自宅のお風呂に入らせるのが大変だったので助かります。
入浴介助はデイサービスの大きな魅力のひとつです。施設によってはリフト浴・ストレッチャー浴などの特殊浴槽も備わっており、全介助が必要な方でも安心して入浴できます。入浴の頻度(週何回)はケアプランで調整できます。
料金の目安 — 利用時間・要介護度別(令和6年度改定)
費用はどのくらいかかりますか? 介護保険が使えるとはいえ、毎日通うと家計への負担が心配で……。
デイサービスの料金は、利用時間の長さと要介護度によって変わります。料金は「単位」で決まり、1単位≒10円が基本です(地域によって異なります)。以下は通常規模のデイサービスで7時間以上8時間未満利用した場合の目安です。
| 要介護度 | 1回あたりの単位数 | 1割負担の目安 | 2割負担の目安 |
|---|---|---|---|
| 要介護1 | 655単位 | 約655円 | 約1,310円 |
| 要介護2 | 773単位 | 約773円 | 約1,546円 |
| 要介護3 | 896単位 | 約896円 | 約1,792円 |
| 要介護4 | 1,018単位 | 約1,018円 | 約2,036円 |
| 要介護5 | 1,142単位 | 約1,142円 | 約2,284円 |
※ 1単位=10円で換算した目安額です(地域加算により地域によって異なります)。上記は基本料金のみで、加算(個別機能訓練加算・入浴介助加算・認知症加算等)・食費・おむつ代などは別途かかります。自己負担割合(1〜3割)は「介護保険負担割合証」で確認してください。
1割負担なら1回あたり1,000円前後なんですね。それに食費が加わる感じですか?
そうです。食費は介護保険外の実費負担で、施設によって異なりますが1食500〜1,000円程度が目安です。加えて、個別機能訓練加算(46単位/日)・入浴介助加算(55単位/日)・認知症加算(60単位/日)などが施設の体制や利用者の状態に応じて上乗せされることがあります。月に何回利用するかでトータルの費用が変わりますので、ケアマネジャーに月額の概算を確認してみてください。
- 介護保険の自己負担(1〜3割): 基本料金+各種加算の1〜3割
- 食費(実費): 500〜1,000円/日 が目安。施設によって異なる
- おむつ代(実費): 施設が提供する場合は実費負担
- 日常生活費(任意): 外出レクリエーション、材料費等
- ※ 介護保険の支給限度額の範囲内であれば介護保険が適用されます。限度額を超えた分は全額自己負担になります
デイサービスとデイケアの違い
「デイケア」という言葉も聞くんですが、デイサービスとどう違うんですか?
似た名前ですが、目的と運営主体が大きく違います。デイサービス(通所介護)は「生活の維持・支援」が中心で、食事・入浴・レクリエーションなど日常生活全般をサポートします。一方デイケア(通所リハビリテーション)は「医師の指示に基づくリハビリ」が中心で、老人保健施設や病院に併設されていることがほとんどです。
| 項目 | デイサービス(通所介護) | デイケア(通所リハビリテーション) |
|---|---|---|
| 正式名称 | 通所介護 | 通所リハビリテーション |
| 運営施設 | デイサービスセンターなど | 老人保健施設・病院・診療所に併設 |
| 主な目的 | 日常生活の維持・支援・社会参加 | 心身機能の回復・維持(リハビリ中心) |
| 医師の関与 | 常駐は不要 | 医師の指示に基づいてリハビリを実施 |
| 入浴・食事 | ほぼ全施設で提供 | 施設により異なる |
| リハビリ | 機能訓練(選択的) | 理学療法士・作業療法士によるリハビリが中心 |
| 向いている方 | 入浴・食事・社会参加を求める方 | 退院後など集中的なリハビリが必要な方 |
※ どちらが適切かはご本人の状態・目標によって異なります。ケアマネジャーに相談のうえ決めましょう。
父は脳梗塞で退院したばかりで、リハビリを続けたいと言っているんですが、そういう場合はデイケアの方がいいですか?
退院直後で集中的なリハビリが必要な時期は、デイケアの方が適していることが多いです。一方で、ある程度状態が安定してきたら、デイサービスで日常生活の維持をしながら少量のリハビリも継続する、という組み合わせも一般的です。どちらが向いているかはケアマネジャーや主治医に相談してみてください。
デイサービスの選び方 — 見学前に確認したいポイント
近くにデイサービスがいくつかあるんですが、どうやって選べばいいんでしょう? どこも同じように見えてしまって……。
デイサービスは施設ごとに雰囲気・規模・特色が大きく異なります。まず「何を優先したいか」を整理してから、複数の施設を見学して比べることをおすすめします。
- 送迎範囲・時間: 自宅が送迎エリアに入っているか、迎えの時間は本人の生活リズムに合っているか
- 規模と雰囲気: 少人数(10人未満)のアットホームな施設か、大規模で活気ある施設か。本人の性格に合う規模を選ぶ
- 入浴設備: 一般浴槽・リフト浴・ストレッチャー浴の有無。介助の必要度に合った設備があるか
- 機能訓練・リハビリ: 機能訓練指導員(看護師・准看護師・理学療法士等)が在籍しているか
- 認知症対応: 認知症対応型通所介護(認知症グループ)があるか。認知症の方向けプログラムの有無
- レクリエーション内容: 趣味・興味に合うプログラムがあるか(音楽・手芸・園芸・外出等)
- 食事の内容・対応: 食形態(きざみ食・とろみ食等)への対応や、アレルギー・宗教食への配慮
- スタッフの様子: 利用者への声かけの仕方、施設内の雰囲気を実際に見学して確認する
見学に行くことはできますか? 事前にアポイントは必要ですか?
ほとんどのデイサービスは見学を受け入れています。事前に電話で連絡してから訪問するのがマナーです。可能であれば、実際に利用者が活動している午前〜午後の時間帯に見学すると、施設の雰囲気がよくわかります。ケアマネジャーに「見学を一緒に同行してほしい」と頼むこともできますよ。
見学・体験利用から申し込みへ — 手続きの流れ
見学して気に入った施設が見つかったら、どうやって申し込めばいいですか?
手続きの流れを整理しますね。ポイントはケアマネジャーを通して調整する点です。個人で直接申し込むこともできますが、ケアマネジャーが間に入ることで手続きがスムーズになります。
- ①ケアマネジャーに相談: 「デイサービスを使いたい」と伝えると、ケアプランにサービスを組み込んでもらえる
- ②施設をリストアップ・見学: ケアマネジャーから候補を紹介してもらい、2〜3施設を見学。体験利用ができる施設も多い
- ③施設と契約: 利用規約・重要事項説明書の説明を受けて署名・押印。入浴頻度・利用曜日・食事の有無などを確認
- ④ケアプランの更新: ケアマネジャーがデイサービスを含めたケアプランに更新する
- ⑤利用開始: 最初の数回は慣れるまでスタッフが丁寧にサポートしてくれることが多い
体験利用ができるのはいいですね。費用はかかりますか?
体験利用は介護保険の範囲内で行える場合が多く、通常の利用と同じ自己負担で利用できることがほとんどです。施設によって対応が異なるので、見学時に確認してみてください。体験してみてご本人が「ここはちょっと合わない」と感じたら、遠慮なく別の施設を探してもらって構いません。本人が気持ちよく通えることが一番大切です。
今日の話を整理してもらえますか?
デイサービス(通所介護)は、日帰りで施設に通って入浴・食事・機能訓練・レクリエーションを受けるサービスです。要介護1〜5の方が対象で、送迎つき・1割負担が基本です。デイケア(通所リハビリ)はリハビリ専門・医師指示が必要な点で別物です。選ぶときは送迎範囲・入浴設備・雰囲気・スタッフの対応を複数施設で見学して比べてみてください。ケアマネジャーがしっかりサポートしてくれます。
関連するガイド
出典
- 厚生労働省「介護サービスについて」 (参照: 2026-06-21)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」 (参照: 2026-06-21)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項(令和6年1月22日)」 (参照: 2026-06-21)
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1225(令和6年3月15日)告示・通知等」 (参照: 2026-06-21)